かの子繚乱

2015.05.12

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日曜の朝、ラジオから作家小川洋子氏が歌人岡本かの子について
語る声が流れてきた。

 

その中で、かの子が芥川龍之介をモデルにした「鶴は病みき」
で文壇デビューして、わすが5年で命を閉じたと言う事を、
私はあらためて知りました。

それまでも幾多の小説を書き続けていたけれど日の目を見ず、
晴れてデビューしたのも束の間の作家生活・・・。

 

でも一方で、かの子らしいと思うのです。
どちらかと言うと、強烈で繊細すぎるこの作家(歌人)。
私の好みはもっとクールで作家としての客観性の強いタイプ
なのですが。だから、与謝野晶子のあの情熱、強靭さに強く
惹かれました。

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かの子の作品を読むきっかけは瀬戸内晴美氏の
「美は乱調から」でした。

なぜか何度も何度も読み返したのを憶えています。
私の中で、高村千恵子と被っていたのです。
いずれの夫も、キャパの広い人だったそうですが。

 

そうでなければ、普通の男なら、手に負えず投げ出していた
ことでしょうから。
私にも、かつて生意気に、ものを書いて生きていきたいなどと
不届きな思いを描いた時期がありました。

でも彼女達のように強烈な情熱や個性、ましてや天才と
称される女流達のようにはとてもなれない事を自覚し
今に至っています(苦笑)

 

実際かの子のような人が傍にいたら、重たくて重たくて
辟易とするに違いない・・・。
でもその辟易してしまう彼女の本を捨てられずに、
今も本棚に置いています。もうセピア色になってしまったまま。

 

中でも作品「金魚繚乱」は、かの子の生に対する鋭い観察と、
かの子ゆえに描ける表現は、誰も言葉に出さない言葉を
テーブルに並べてくれる。それは時には見て見ぬ振りをする、
凡人達へ突きつける剣のようにも感じられるのです。

 

強すぎる個性は、時として己の心に刃を立ててしまうもの
なのでしょうか?
でもちょっぴり、かの子の心のひだを感じることがあるのです。
いまでも・・・。

 

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