チャレンジしましょう

2014.05.27

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今から15年前の障害者年の文集に、母が、なぜ「チャレンジしましょう」と言うタイトルで
投稿したのかが、やっとわかった気がしました。

 

彼女は50歳の時、地下鉄に落ちて、それが引き金で失明しました。
落ちた瞬間、電車が顔をかすめていったのを、風圧で感じたそうです。

 

奇跡的に、左腕骨折だけで救われました。

 

運ばれた虎ノ門病院の窓枠が日に日にぼやけていくのを不愉快な心地の中で、
目を擦りながら見ていたそうです。

 

見えなくなっていく前兆でした。

 

自分が失明すると感じた瞬間のその思いは、結局一言も言葉にはしませんでした。

その後の10年は、「目を治す」ただそれのみに生きた日々であったように思います。

 

実家に帰ったある日、机に向かって一生懸命になっている母を見つけました。
点字を書いていたのです!

 

それまで白い杖、点字等は一切受け付けなかった彼女。
「どうしたの?!」と言う私の問いに答えました。

 

「あなたに、たまには手紙が書きたかったから。」

 

今日、「世界の名言 100」の本を手に取った中で、ヘレン ケラーの言葉を見つけました。

本物の人格は安楽と平穏からつくられることはない。

挑戦と失敗の苦しみの経験を通してのみ、精神は鍛えられ、夢は明確になり、希望が湧き、そして成功が手に入る。

こうして初めて本物の人格ができあがるのだ。

母が、ヘレン ケラーの言葉を読んだかは知るよしもありませんが。
いつの頃からか、挑戦と言う言葉を口にするようになったのを思い出します。

 

母にとって成功とは、何を意味していたのかは、私にはわかりません。
ただ、果敢に前に進もうとしていた姿、いつも凜としていた横顔を
今もはっきりとおぼえています。

 

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