グチャグチャと複雑にしているのは誰?

2014.05.07

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浅田次郎著の「天切り松 闇がたり」の中の章、ライムライトでこんな一節があります。
チャップリンが来日し、帝国ホテルで、松蔵達に言う言葉です。

20140507

「先日、生まれ故郷のロンドンを訪れたとき、バーナード・ショーがこんなことを言いましたよ。
すべての芸術はプロパガンダであるべきだとね。

私の作品から彼なりに感じたところかも知れませんが、ちょっと心外でした。
芸術が宣伝?ーノーノー、本来は庶民の娯楽であるべき芸術に、主義や主張があってたまるものですか。

そこで私は、たまらずに反論しましたよ。
芸術に目的などあるべきではないが、もしあるとすればー人間の感情を正しく表現し、
色や形や音を、より美しく、より深く描写することにあります。

仮に主義主義を宣伝しようとしたり、道徳を強制しようとしたりすれば、
芸術は庶民の心を離れたつまらないものに堕落してしまうでしょう。

それこそが近代の知性がもたらした、芸術に対する誤解、美に対する冒涜であると、
あなたは思いませんかとね。」

 

小説の中の言葉とはいえ、確かにチャップリンが言ったのでしょう。
これは、まさに真髄を言い当てていると思うのです。

浅田次郎の大ファンの友人が「あなたとおんなじ江戸っ子が出てくるよ」
貸してくれたのがきっかけで、氏の小説を読むようになりました。

納得です。

尾張町、浅草、銀座の服部時計店等々。
「天切り松 闇がたり」第5巻ライムライトは、人気シリーズの一冊。

平成の現代に、江戸弁で、絵巻を語る天切り松の語り口調は、
チマチマ、グチャクチャした現代を小気味良い切り口で展開する回り舞台を目ているよう。

グチャグチャと複雑にしているのは、果たして誰なのだ?

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